2019/11/08の金曜ロードショーでは映画『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』が放送されます。
この映画は『スタンド・バイ・ミー』や『グリーンマイル』など、数々の名作を世に送り届けてきたスティーヴン・キングの原作。ホラー映画史上ナンバーワンヒットとなった話題作です。
実は、この映画の主人公のピエロ・ペニーワイズのモデルになった犯罪者が実際に存在するのです。
今回は、その元ネタとなったアメリカの事件について記事にしていきます!
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映画『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』のあらすじを簡単に
イットの中で殺人鬼として描かれているピエロ、ペニーワイズ。
彼は複数の子どもを誘い込み、襲います。
90年代版では、男の子三人が高圧的な態度で女の子ベバリーを囲みいじめるシーンで、いじめの犯行に気づいているにもかかわらず、気付かないフリをする大人がいたという過去のシーンがあります。
「見て見ぬふりをする大人たち」には、ペニーワイズの姿が見えないように描かれていました。
普段はピエロの恰好をしているイットのペニーワイズですが、子どもの怖がるものに姿を変えることができます。姿をひそめているのはどこなのでしょうか?
実は下水道そのものがペニーワイズの住処なのです。子どもたちがどこにいても突如現れるペニーワイズ、下水道に住んでいるのでどこからでも現れることが出来たのです。
ITは実話?ペニーワイズの元ネタとなった事件
ペニーワイズのモデルになったのはジョン・ウェイン・ゲイシーという人物です。
福祉施設で働いていた彼は、子どもたちを楽しませるためにパーティーでピエロに扮することが多かったため、事件を起こした後は「キラークラウン(殺人ピエロ)」という異名を付けられました。
彼が起こした事件が元ネタとなり映画『IT』は描かれています。
元ネタのジョン・ウェイン・ゲイシーの幼少期
ジョンは、1942年3月17日にポーランド系の父親とデンマーク系の母親の間に生まれます。
脳に障害があった父親は、ジョンら家族に暴力を振るうなど、普通の温かい家庭ではなかったようです。
ジョンには2人の姉がいて、父親にとっては待望の男のでしたが、生まれてきたジョンには心臓疾患があり、それに失望した父親は徹底的にジョンを虐待するようになりました。
『クズ』『間抜け』『おかま』『お前はホモになる』と言葉でも攻め立てられ、精神的にも虐待をされ続けました。
そのせいでパニック障害や心臓発作を起こし、失神することも度々あったようです。
母親はジョンをかばって父に『息子をいじめないで』と懇願しましたが、『あのガキは気を引いている』と聞き入れませんでした。
自分をいじめ続けた父親でしたが、ジョンはそんな父親でも尊敬し『父にいつか認めてもらおう』と一生懸命に働きます。
4回の転校で高校は落第してしまいましたが、その後職業訓練区に通い成績優秀で卒業しました。
ITの元ネタ、ジョン・ウェイン・ゲイシーが起こした事件とは?
ジョンは結婚する少し前、一緒にお酒を飲みに行った男性に無意識のうちに手を出してしまいます。
父親に言われた『お前はホモになる』と言われたことが現実となり、自分に対して得体のしれない恐怖を感じます。
ですが、その3年後も15歳になる少年・ドナルドを『ポルノ映画を見よう』と誘い、地下室で関係を持ちます。ジョンはドナルドにお金を払い、その後もお金と体の関係は続きました。
しばらくその関係は続きましたが、最終的にはドナルドに訴えられ、反自然性交の容疑で逮捕されました。
服役中に妻とは離婚し、父親はアルコール依存症で亡くなってしまいました。
釈放から一年半後。ジョンは拾った青年と一夜をともにします。
翌朝、青年は朝食のサンドイッチを作ってるところで、ナイフを持ったままジョンを起こそうとしました。それを見て『殺そうとしている』とパニックを起こし、刺し殺してしまいます。
この青年を刺殺したことが、ジョンの初めての殺人となりました。
混乱したゲイシーは死体を床下に隠し、これ以降、殺人が習慣となっていきました。
その後、2度目の結婚をしたジョンは、シカゴに家を購入した。
休みの日にはボランティアでピエロの「ポゴ」に扮して地域の福祉施設を訪れ、子どもたちと交流を深めました。
このピエロの『ポゴ』がペニーワイズのモデルとなります。
ジョンは福祉施設の少年たちや地域の少年をを家に誘って強姦し、殺害するという事を繰り返しました。
少年を誘う手口はみんな一緒で「ポルノを見ないか」と地下室に誘い込み、手錠で身動きをとれないようにしてから殺害するというものです。
死体は床下に埋め、石灰をまいたり、塩酸をかけることもあり家にはメタンガスが発生していたようです。
ジョン・ウェイン・ゲイシーの最後
ジョンは殺人犯として再び刑務所に入りました。刑務所に入ったジョンがただひたすら書いていた絵が下の絵なのだそうですが・・
ピエロをただひたすら書くとは・・怖いですね(^^;
そんなジョンに興味を持ち、手紙を送ってきた人物がいました。ジェイソン・モスという当時18歳の少年です。
ジョンは文通を始め、どうにかこうにか彼の電話番号を突き止めて、電話でやり取りをするようになりました。その後、少年に「人殺しの本当の理由を教える」と言い、刑務所に招待し面会するようになりました。
だんだん欲情を抑えられなくなったジョンはジェイソンを34人目の被害者にしようと計画します。
ジョンは刑務所内では模範囚だったため、その立場を利用して看守抜きの面会を実現させました。ジェイソンとの面会中に犯行に及びますが、看守が通りかかり、未遂に終わります。
ジョンは1994年5月10日の深夜、ジュリエット刑務所にて執行されました。
まとめ
まともな父親に育ててもらえなかったジョンの生い立ちは、とても悲しいものですが・・
最終的にゲイシーは9才から20才までの33人もの未成年者に性的暴行・拷問をした後に殺害したということです。
生い立ちがひどいからって、こんな卑劣な事をするなんて許せないです。。さすが映画の題材になるだけありますね。